那賀町の釣り名人・喜多さん

渓流釣りで川魚食べ放題! 那賀町移住で自給自足生活も夢じゃない!?

清流・那賀川が流れるまち、那賀町

渓流釣り移住のまち・那賀町

徳島県南部の山間部にある那賀町。清流として知られる那賀川の中・上流域にある自然豊かな町です。そんな場所にある那賀町は、渓流釣りが人気レジャーのひとつ。鮎やアメゴはもちろん、イダやハエなど、一年を通して美味しく食べられる川魚が釣れます。渓流釣りが好きなアングラーにとっては最高の移住先と言って間違いないでしょう。では実際に那賀町で暮らすアングラーはどんなライフスタイルなのでしょうか? というわけで、今回は那賀町の釣り名人・喜多さんの一日に密着してきました!

那賀町の釣り名人・喜多さん

喜多さんが暮らすのは那賀町の中でもさらに山奥の木頭(きとう)という場所です。那賀川でいうと、上流域にあたるエリア。当然、川の水はこれ以上ないくらいにキレイで、川辺を見渡すと釣り人が何人もいる渓流釣りの聖地です。そんな木頭の中でも喜多さんは“名人”として知られる凄腕アングラーなんだとか。釣り歴58年にもなる喜多さんは10歳の頃から渓流釣りをしているそうです。

「小学生のときにアメゴ釣りを始めて、学校をサボって釣りに行ってたんですよ(笑)。そのときは手作りの釣具で、餌はミミズや川虫とかでね。お腹が空いたら、食べるためにアメゴを釣りに行ったりしていましたね」

なんと小学生の頃から渓流釣りで自給自足のような暮らしをしていたという喜多さん。

鮎の握り寿司

そんな喜多さんのお家に伺うと、前日に釣ったという鮎の握り寿司を振る舞ってくれました。まさかこんな山奥でお寿司が食べられるとは! 鮎の握り寿司って独特のクセがあるのかなと最初は思いましたが、実際に食べてみると嫌なクセは全くなくて、めちゃくちゃ美味しい! 普段から鮎を食べている喜多さんの料理の腕もあるのでしょうが、木頭の鮎は特別に美味しい気がします。

那賀町木頭で釣る川魚は極上…!

喜多さんの家の食卓はいつも川魚がいっぱい

「釣り人にとって那賀町暮らしはやっぱりすごく良いですよね。すぐ近くの川で釣ってきた新鮮な川魚が一年中食べられますから。私なんかは家のすぐ近くが渓流釣りのスポットなので、仕事終わりに晩酌用の魚を釣りに行ったりね。魚が食べたくなったらすぐ釣りに行けるっていうのが良いんですよ」

喜多さんは那賀町暮らしの良さをそう話します。鮎は川をどんどん遡上していくという性質上、上流域の木頭には十分に引きを楽しめるほどの大物もいるのだとか。また、木頭の魚が美味しいのは川の水の美しさが大きな理由だと言います。

「ここより上流にはダムも何もないですし、生活排水が全く流れていないポイントもたくさんあります。だから、川の水をそのまま飲めるくらいにキレイなんですよ。そこにいる魚は臭みも全然なくて、すごく美味しい。他の場所ではあまり食用としては扱われない魚でも、木頭で釣れば最高の食材です」

自宅近くの川で本日の食材調達釣行

自宅近くの川で鮎釣り

喜多さんのご自宅で鮎の握り寿司をいただいた後は、その日の夜の食材調達のために近所の川へ。こうやってすぐ釣りに行けるって最高ですね! 魚影が濃くて、上の道からでも鮎の姿が確認できます。

釣り上げた鮎

そして、さすが釣り名人・喜多さん、あっという間に1匹釣り上げました。その後、1時間足らずで約10匹釣って、晩御飯の食材調達完了です。

那賀町に移住すればいつでもこんな晩御飯

釣ってきた鮎を早速料理

川から家に帰ると、早速釣りたての鮎を料理。なんと鮎料理用の自作の石鍋が出てきました。この石鍋で作る『鮎の石焼き』は喜多さんのオリジナル料理なのだそう。

鮎の石焼き

鮎をある程度焼いたら、骨をとって身をほぐし、卵や野菜と共に味噌ダレで混ぜて焼いていきます。見るからに美味しそう…! 試食もさせてもらいましたが、控えめに言って最高です。これで晩酌ができればなお最高。そして「うちでは鮎を釣ってきたらいつでもできるから」と、パックに詰めてお土産として持たせてくれる喜多さん。これがいつでもできるって羨ましい暮らしです。

これが那賀町暮らしの渓流釣りアングラーの日常です。渓流釣りが好きな移住希望者のみなさん、少しでも良いなと思ったら、ぜひ一度那賀町に遊びに来てみてください。きっと素敵な渓流釣りライフが待っていますよ。


※那賀川で漁業権対象の魚種(鮎・アメゴ・ウナギなど)を釣る場合は、遊漁券の購入が必要です。
遊漁券の情報はこちらから

那賀川上流漁業協同組合
https://nakagawa-joryu.com/

SUPタウン阿南市

阿南市はSUP好きにとって最高の移住地!? SUPタウン・阿南市の魅力とは!

SUPタウン・阿南市とは…!

SUP移住のまち、阿南市

四国最東端のまち・阿南市。ここは「SUPタウン」と呼ばれるほどに、SUPスポットがたくさんあり、SUP好きが集まるまちです。海でも川でもSUPが楽しめる阿南市は当然美しい自然も売りですが、市街地も発展している暮らしに便利なまちでもあります。つまり、快適に暮らしながらSUPも楽しめる移住先を探している人にとっては、ぴったりなまちです。今回はそんな阿南市の魅力をSUPのプロに聞いてきましたよ!

GOGO SUP&CAFE 篠原さん

お話を伺ったのは淡島海岸の前に店舗を構える『GOGOSUP&CAFE』の篠原さん。昔からずっとサーフィンをやっていて、SUPにハマったのは5年前からなんだとか。

「最初はSUPには全然興味がなかったんですけど、知り合いからSUPのボードをもらって、やってみたらすごく面白かったんですよね。波乗りの面白さとはまた違って、穏やかな海面をクルージングしていく爽快さというか。海のコンディションが良ければ近くの無人島までクルーズしたり、自由にどこにでも行けるのがSUPの魅力です」

阿南市にはSUPポイントがいっぱい!

阿南市のSUPスポット

阿南市の沿岸は砂浜の穏やかなビーチもあれば、入り組んだリアス式海岸もあったりと、特徴的な場所がいくつもあります。もちろんSUPを楽しめる場所もいっぱい。『GOGOSUP&CAFE』がある淡島海岸もSUPの一級ポイントです。その他、どんな場所でどのようにSUPを楽しめるのでしょうか? 篠原さんに聞いてみました。

「阿南市のSUPポイントは海で6ヶ所、川で3ヶ所くらいあります。淡島海岸であれば、海が穏やかな日は少し沖に見える無人島までクルージングすることができますし、波があるときはSUPサーフィンという楽しみ方もありますよ。川SUPのポイントは那賀川か桑野川ですが、少し上流の方から流れにのって進む川下りのような感じです。海とはまた違った楽しさがありますね」

SUP移住のまち・阿南市でSUPをエンジョイ!

SUP好きにとっては天国のような阿南市ですが、「初めての人はまずローカルルールを知ってからSUPを楽しんでほしい」と篠原さんは言います。

「サーフィンでもそうですが、やっぱりSUPにもローカルルールというものがあるんですね。それを知らずにやるとトラブルになることもあります。だから阿南市で初めてSUPをするなら、まずうちのお店に来ていただければと思います。聞いてもらえればローカルルールは全てお教えしますし、一度うちのSUPツアーに参加していただければより安心です」

淡島シーサイドコテージに滞在して阿南市SUPを体験!

淡島シーサイドコテージでお試しSUP移住

『GOGOSUP&CAFE』のすぐ隣には『淡島シーサイドコテージ』というオシャレなキャンプ場があります。「一度阿南市でSUPを楽しんでみたい!」という人は、こちらに滞在するのがオススメ。

トレーラーハウスで快適に滞在

芝生のテントサイトの他、トレーラーハウスでの宿泊も可能です。夜にはサイト全体がライトアップされて幻想的な風景が広がります。キャンプファイヤーができる場所もあるし、とっても楽しそう!

目の前はSUPができるビーチ!

そして、徒歩数十秒でSUPができるキレイな海。早朝には日の出SUPも楽しめます。もちろん『GOGOSUP&CAFE』のSUPツアーもありますので、ぜひ申し込んでみてください。阿南市のことも、ローカルルールのことも、たくさん教えてくれるはずですよ!


GOGOSUP&CAFE
徳島県阿南市畭町亀崎83-1
tel.0884-22-1276
https://gogosupcafe.com/

淡島シーサイドコテージ
徳島県阿南市畭町亀崎7
tel.090-3752-0675
https://www.awashimaseasidecottage.com/

サーフィン移住インタビュー

サーフィン移住なら海陽町へ! 日本一の波乗りタウンで年中サーフィンライフ

『パビリオンサーフ』間屋口さんに聞く、海陽町でのサーフィンライフ

サーフィン移住一等地・海陽町

この文句なく美しい海。海外リゾートかと見紛う青々とした景色ですが、ここは徳島県南部にある海陽町です。この海に惹かれ、マリンレジャー目的の観光客が多く訪れています。さらには、海陽町の海が気に入りすぎて遠方から移住してくる人も多数。特にサーフィンを趣味としている人たちにとっては絶好の移住先となっています。

というわけで、今回はサーファー目線での海陽町の良さをお伝えすべく、上の写真に写っている間屋口さん夫婦にお話を伺ってきました!

海陽町のサーフショップ・パビリオンサーフ

今では海陽町で立派なサーフショップ『パビリオンサーフ』を営む間屋口さんですが、実は彼らも移住者です。出身は京都府舞鶴市で、そこではウィンドサーフィンをやっていたのだそう。

サーフィン移住インタビュー・間屋口さん

「京都ではウィンドサーフィンをやっていたので、最初はウィンドサーフィンのメッカと言われている静岡に移住したんですよ。それからさらにウィンドサーフィンにのめり込んでいって、次に移住したのはハワイのマウイ島。そこはウィンドサーフィンの世界大会が行われるほどの聖地で、しばらく暮らしていたのですが、娘が日本でプロサーファーを目指すということで帰国することになりました。そのとき、ハワイの超有名サーファーであるマイク・ウーさんに『日本でプロになるならここに行くといい』と勧められたのが海陽町だったんです」

「日本で一番波が良いのは海陽町だ」byマイク・ウー

海陽町のサーフィンスポット

マイク・ウーさんに「日本の中で波が一番良い」と紹介され、ハワイから海陽町に移住してきた間屋口さん。2000年に移住、2005年にはサーフショップ『パビリオンサーフ』をオープンし、今に至ります。過去何度も移住を繰り返してきた間屋口さんがこの地に定住したことこそが、サーファーにとっての海陽町の魅力度の高さを物語っています。

サーフィン移住インタビュー・間屋口さん

「実際に海陽町に来てみて、やっぱりすごく波は良かったですね。1年を通して波が安定しているので、季節を問わずサーフィンを楽しめます。あと、サーフィンスポットがバラエティに富んでいるんですよね。誰でも楽しめる初心者向けのサーフもあれば、波が複雑な上級者向けのサーフもあったり。少し場所を移動すればいろんな波を楽しめるのも海陽町の特長のひとつです」

また、地域住民はもちろん、サーファーたちもとても人が良いと間屋口さんは話します。

「みんな波の譲り合いをするし、優しいんですよね。移住者に対してもとても親切だと思いますし、サーファーじゃなくても地域の人たちはすごくあたたかくて。海陽町の宍喰では毎年、祇園祭りがあるんですけど、昔はそのお祭りのときに地域の人が初対面の他人を家にあげて料理を振る舞ったりしていたんですよ。移住した当時、私たちもびっくりしたんですけど、そういうのは海陽町民の人柄をよく表しているなぁと思います」

パビリオンサーフのロッジで海陽町移住体験!

パビリオンサーフのロッジでお試しサーフィン移住

今回お話を伺った間屋口さんのお店『パビリオンサーフ』には、ロッジが併設されていて、宿泊もできるようになっています。目の前には太平洋が広がっていますし、宿泊費は3300円~ととってもリーズナブル。サーフィン移住のお試しにはもってこいです。サーフィン移住を検討されている方は、まず一週間ほどこちらに滞在してみては?


PAVILION SURF & LODGE
徳島県海部郡海陽町宍喰浦字松原215-1
tel.0884-76-3277
http://www.pavilion-surf.com/

『ふるさと回帰支援センター』に聞く!withコロナの移住状況 後編

※この記事は、2023年2月時点のものです。

 

東京・有楽町の交通会館で全国の移住相談に対応している『NPO法人ふるさと回帰支援センター』。44都道府県1政令市の相談員が常駐し、地域の暮らしに関する情報発信を行っています。後編では前編での内容をふまえ、西日本エリア担当の早田さん、広域エリア担当の中西さん、徳島県移住コンシェルジュの村社さんの3人にQ&A形式で近年の移住動向について伺っていきます。

★NPO法人ふるさと回帰支援センターについてはコチラ!

https://www.furusatokaiki.net/

 

Q 『ふるさと回帰支援センター』での徳島県の取り組みを教えてください。

▲(写真右)徳島県専属相談員 村社 いちご (むらこそ いちご)さん

 

村社さん:『ふるさと回帰支援センター』内にある徳島県ブースでは、徳島への移住を検討されている方の移住相談、自治体と連携したセミナーの開催、その他情報発信を行っています。

徳島県ブースに相談に来られる方は、「なんとなく徳島県に関心はあるけれど、徳島のことはあまり知らない」という相談が多いように感じます。最終的に各市町村の移住窓口へお繋ぎすることを目指していますが、Uターンなどで移住先を徳島県に限定されている方は『ふるさと回帰支援センター』と県が共催する徳島県単独の移住相談会『とくしま回帰セミナー』をおすすめしています。徳島県内の自治体の方と直接話をしていただく相談会スタイルで、オンラインと現地開催のハイブリット形式で行っており、各市町村の方にお話を聞けるので相談者さんの満足度も高く、好評です。

とくしま回帰セミナーの様子。

Q.「なんとなく徳島県に関心はあるけれど、徳島のことはあまり知らない」という人は、どういうきっかけで徳島に興味を持つのでしょうか?

村社さん:「以前、旅行で徳島を訪れたことがあり、良い印象を持っている」、「お遍路を回ったことがある」など、観光きっかけで興味を持ってくださる方が多い印象です。移住のパターンとして個人的に「多い」と感じるのは奥様が徳島出身という、いわゆる「嫁ターン」の方。そのご縁で旦那様が「徳島の暮らしや仕事について知りたい」と相談に来られるケースもあります。「祖父母の家が徳島にある」など何かしら徳島と縁があり、「深くは知らないけど移住先の候補として考えている」という人の相談が多いように感じています。

 

Q. 『ふるさと回帰支援センター』の統計によると、男女比でいえば女性の相談件数が増えているようですが、徳島県単体ではいかがでしょうか?

村社さん:男女比にあまり差はないですね。ただ、先ほどもお答えしたように特徴的だと感じているのが、「嫁ターン」です。

 

▲徳島県の相談ブース

Q. 5~6年前はUターンの割合が6割程度だったのが、最近はIターンの方が多くなっています。その理由はどういったことが考えられるでしょうか?

 

早田さん:移住という選択が特別ではなくなってきたのではないかと思います。いわば、「普通に移住を考える」という時代になったのではないかと。国の施策として地域創生を打ち出しているということもあり、「地域に貢献をしたい」、「地域のコミュニティと関わりたい」といったような地方に関心を持つ人が増えています。

少し前までは「地方で田舎暮らし」というと「農業や林業など一次産業に就きたい」、「野菜やお米も作りたい、自給自足したい」など、自然の中で暮らしたい人が移住の主なターゲットだったと思いますが、今は地方の中でも比較的街の方に住みたいという人の相談も。「一度移り住んだら東京ヘは戻れない」という一大決心をして挑むというより、「移住もいいかも」くらいの感覚が日本全国に広まりつつあるように感じています。

Q. 「漠然相談」の人に徳島に興味を持ってもらうためには、どのようなアプローチが必要でしょうか。

「ふるさと回帰フェア2022」の様子。漠然と地方移住について考え始めた人の来場も多い。

中西さん:漠然相談は相談者が自分自身の考えを整理できていない状態であることも多いため、まずはその方が「どういった暮らしを求めているか」をお訊きしています。例えば生活環境、自然環境、趣味、仕事、物件の希望など移住先を選ぶ上での軸や優先順位などを明確にしていく中で、その条件にあった地域をご紹介させていただきます。その結果が徳島県であれば、徳島県をおすすめするのですが、人それぞれに異なりますのでその方が大事にされたい部分に合わせて、一人一人にあった提案をさせていただいています。

その上で全国から多数の自治体が参加する「ふるさと回帰フェア」への参加もおすすめしています。移住先に迷っている方にとって、各自治体の担当者に直接話が聞けるいい機会。実際に話してみると、「この地域の人は親切に教えてくれた」とか「ちょうど希望する物件があった」など、思いがけない出会いから移住を決めたという人も。移住先を探している人は積極的に行動し、情報を集めていますので、こまめな情報発信も徳島に興味をもってもらうのに有効だと思います。

 

★お知らせ

ふるさと回帰支援センターではウェブマガジン「ふるさと」で徳島県の情報を発信しています!
徳島県への移住に関心のある人はぜひご覧ください。

https://www.furusato-web.jp/

 

『ふるさと回帰支援センター』に聞く!withコロナの移住状況 前編

※この記事は、2023年2月時点のものです。

 

2019年12月頃から始まった新型コロナウイルス感染拡大。発生から3年余りが経ち、2023年2月現在、屋外でのマスクの着用も緩和され、5月8日からは季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることが決まりました。

この間、地方移住も大きく変化。リモートワークが進み、転職することなく住む場所を選べる時代に。ワーケーションやワーキングホリデイのような移住気分を味わえるプログラムも各地に増え、都市に住む人たちに限らず、移住への興味関心も高まっています。

そうした変化を身近に体感している『NPO法人ふるさと回帰支援センター』の相談員のみなさんにwithコロナの移住状況を踏まえ、この3年を振り返ってお話を伺いました。

★NPO法人ふるさと回帰支援センターについてはコチラ!

https://www.furusatokaiki.net/

(写真左から)お話をうかがった中西さん、村社さん、早田さん。

 

日本最大の移住相談窓口『ふるさと回帰支援センター』

お話を伺ったのは・・・
西日本担当部長 
早田比呂美 (わさだ ひろみ)さん

早田さん:『ふるさと回帰支援センター』は、田舎暮らしを希望する生活者の増加を受け、2002年に発足し、2022年11月で20周年を迎えました。

『ふるさと回帰支援センター』は有楽町の駅の前にある『東京交通会館』8階にあります。周辺には全国各地のアンテナショップなどもあり、地方に興味のある人が多く集う地域です。センターに来所いただきますと、徳島県ブースは入って右側、高知県のお隣に位置しています。今年度新たに東京都と千葉県がブースを出展され、この2つはブース出展+相談員を置いていただいておりますので、 相談員が配置されていない県は奈良県と沖縄県のみになりました。

『ふるさと回帰支援センター』のミッションは地域へ移住を希望する方たちと、受け入れする地域、この 2つを繋いで、各地へ移住希望者を送り込むこと。地方移住は移住者にとっても、受け入れ地域にとっても目的ではなく手段ですので、 双方が「良かった」と思えるマッチングを行ことができるよう、務めています。

  • 相談窓口業務

よりよいマッチングを行うための活動の1つとして、各地の情報提供を行う相談業務があります。以前はセンターに自由に出入りができるようにしていましたが、現在は予約制です。入口で手指のアルコール消毒、体温チェックなどをしていだたいて、安心して皆さんがご相談できるよう、対応しています。

移住相談の流れは、田舎暮らしを考える方から問い合わせをいただき、希望する自治体や欲しい情報などを伺った上で、自治体を紹介させていただきます。その後、移住セミナーやモニターツアーなどへ参加いただき、移住エリアを確定したら、仕事や住まいを探します。うまくマッチングしなかった場合は、またセンターで相談いただき、別の自治体を紹介します。
このようなことを繰り返して最終的に移住を決定する流れになっています。

  • セミナー・フェアの開催

各自治体のみなさまと共に、定期的な移住セミナーの開催も行っています。コロナ以前はセミナールームでのリアル開催がほとんどでしたが、コロナ下でオンライン開催に。最近ではオンラインとリアルとのミックス型も増えています。今後はまたリアル開催を再開する自治体も増えると思いますが、オンラインも継続していくものと思います。

『ふるさと回帰支援センター』では国内最大級の移住マッチングフェア「ふるさと回帰フェア」を年に一度開催しております。2022年度は東京国際フォーラムで開催し、18,169名にご来場いただきました。

 

移住相談に見る、コロナ下の地方移住の変化

下は、当センターでの移住相談者の傾向を項目ごとにまとめたものです(※認定NPO法人ふるさと回帰支援センター来場者アンケート2021【東京】から)

地方移住希望者のニーズ センター利用者の年代の推移(東京)2008-2021(暦年別) %

 

来場者の性別  2021年(n=10,900 ※単一回答)

 

■移住先選択の条件(優先順位(2016-2021) 2021年(n=6,105 ※複数回答)

 

リーマンショックの時には「消極的な移住」、東日本大震災では「疎開的な移住」 、地方創生の事業が本格的になった頃は「積極的な移住」と言われ、コロナ下はこれまで地方移住を漠然と考えていた人たちが積極的に動き始めている状況です。

■希望する就労形態(2016-2021) 2021年(n=6,939 ※複数回答)

仕事を持ったまま地方で暮らす「リモートワーク移住」が可能になったことで、テレワークを基本としながら月に数回程度、東京の会社に通うといったような「二拠点居住」を行う人も増え、移住というより、引っ越し感覚で首都圏近郊に移り住む人も増加。そうしたことから2020年の移住の希望地ランキングに東京近辺の地域が上がってきていました。2021年に入り、この傾向は全国へと広がっています。

地方移住の関心は依然高まっており、 この追い風をしっかりと受け止めるためにも「地域の受け皿作り」が重要になってきていると思います。

 

リモートワーク移住で中四国にも移住者が増える!?「漠然相談」も増加中

 

お話を伺ったのは・・・
山陽四国エリア相談員 
中西 沙織 (なかにし さおり)さん

 

中西さん:続いて、山陽四国エリアで移住先を検討されている方の傾向についてお話しいたします。『ふるさと回帰支援センター』では全国の移住相談を承っていますが、 「移住先を決めていない」という方のご相談も多く、当センターではそうした相談を「漠然相談」と呼んでいます。

パソコン1つあればどこでも仕事が出来るという「リモートワーク移住」の需要が全国的に増加していますが、「地方移住には関心があるけれど、どこでも仕事が出来るので地域を決めきれない」という相談が目立つようになりました。

どうやって地域を絞り込んでいったらいいのか、何を基準に決めていったらいいかといった、移住に関する情報提供という枠を超えた、複合的な相談の必要性が窓口でも求められるようになってきたと感じています。

 

後編へ続く…

こうしたコロナ下の移住の傾向を踏まえ、後編ではQ&A方式で近年の移住動向についてさらにお話を伺います。こちらもぜひご覧ください。

【地域おこし協力隊WSレポート】「四国の右下」に移住者を増やすには? 

阿南市、那賀町、美波町、牟岐町、海陽町の1市4町の「四国の右下」移住担当者は、情報交換を兼ねた研修会を定期的に行っています。コロナ下で様変わりした移住の動向について話し合う会や子育て・教育について、空き家問題、地域課題解決のための専門家講習など毎回テーマを決めて実施しています。今年度最後の研修会は「四国の右下」で活動する地域おこし協力隊と共に「四国の右下に移住者を増やすには?」をテーマに、ワークショップ形式の交流会を2023年2月中旬に開催しました。

四国の右下に移住者を増やすには?

このWSは問いの答えを導き出すというより、同じ地域で暮らす者同士が感じていることを気軽に話せる関係づくりを目的に企画されました。「四国の右下に移住者を増やすには?」といったトークテーマも身近な話題です。参加した各市町の移住担当者や地域おこし協力隊ができるだけ別のエリアの人と話ができるよう、4つのグループに分けて約30分間のワークショップを実施しました。地域おこし協力隊のみなさんには各地で課題解決に従事しながら、移住者でもあるという両方の視点から、普段感じていることざっくばらんに話してもらいました。さて、どんなアイデアが出てくるでしょうか?

ChatGPTにもきいてみた!

ちなみに、話題の文章作成アプリChatGPTにも同じ質問をしてみました。

徳島県南部に県外からの移住者を増やすためには、以下のような施策を検討することが考えられます。

1阿波踊りなどの地域イベントの積極的なPR
阿波踊りなど地域に根付いた伝統行事が多くあります。これらのイベントを積極的にPRし、県外からの訪問者を増やすことで、徳島県南部の魅力を知ってもらい、移住を検討する人が増える可能性があります。

2住宅支援制度の充実
移住者が住宅を確保することは移住を促進する上で非常に重要です。住宅支援制度を充実させることで、移住者が住宅を安価に確保しやすくなるため、移住を促進することができます。

3移住者向けイベントの開催
移住を検討する人々に向けた移住相談会や、現地見学ツアーなどのイベントを開催することで、地域の魅力を直接的に体験してもらうことができます。これにより移住のハードルを下げ、移住を促進する可能性があります。

なるほど!という回答ですが、中には間違った情報も含まれていて、紹介したのは比較的上手に回答できていたものです。
この他、四国に移住する人たちが魅力を感じる点についても聞いてみました!

1自然と暮らしの豊かさ
四国には美しい自然が多く残されており、海や山、川などでアウトドアが楽しめます。またゆったりとした暮らしができ、食材も豊富で新鮮な物が手に入りやすいところが魅力です。

2人々とのつながり
四国には、地域に根ざした人々との繋がりが強く、地元に方々からの温かいおもてなしを受けられます。また、地域の文化や伝統、食文化などもあり、そういったものを学ぶこともできます。

3安らぎと癒やし
四国には、多くの温泉やパワースポットがあり、心身ともにリラックスすることができます。また、自然とのふれ合いや、地元の方々かたの暖かい支援を受けることで、ストレスが解消されることもあります。

4新しい挑戦
新しいビジネスモデルやアイデアが生まれており、地域おこしや観光振興などに力を入れている場所もあります。そうしった取り組みに参加することで、新しい挑戦ができます。

この問いに関しても、もっともな内容に思わず感心してしまいますが、「四国」でなくても、もしかしたら同じ答えが出るのかもしれません。

リアルな意見続出!「四国の右下」に移住しようと思って来たわけじゃない!?

初対面の人もいたようですが、すぐに打ち解けて和気あいあいと話ができる大らかさは、もしかした「四国の右下」エリアの特徴かもしれません。一年を通じて温暖な気候が、そうした県民性を育んでいるのかも。とはいえこの日は、県南部にしては珍しく雪がチラつく空模様の寒い一日に。そうした中でも会場はいい感じに盛り上がり、それぞれのグループから熱意のこもったアイデアが出ました。

WSで出た意見やアイデアの一部を紹介しましょう。

・「仕事がある」というだけでなく、地域の特色と個人の得意をいかし、相乗効果の得られる仕事があるかどうかが重要
・移住相談会や大型フェア(地域おこし協力隊はJOINなど)が移住のきっかけになったので、フェアへの出展を継続的に行う
・住まいの情報や困った時に助けてくれるようなサポート人材やサポート機関が欲しい
・DMVなど観光きっかけで四国の右下エリアを知った人に対して積極的にアプローチを行う
・地元愛を醸成し、Uターン、Jターン、Iターンの順で移住者を呼び込めるよう、まずは住んでいる人の満足度の充実を図る
・移住PRの際にいいとことばかりを強調するのは疑わしい。住んでみて「話が違う」と引っ越してしまうので、デメリットについても説明する
・四国の右下エリアでお互いの強み、弱みに関して情報共有し、補完しあう

当たり前ですが、ChatGPTよりも会場の意見の方がリアルで具体的。しかも実感がこもっているので、一言一言に温度感があり、言葉に重みを感じます。

様々な意見の中で興味深かったのは、「『四国の右下』に移住したい」とエリア先行で移住を決める人は意外と少ないという発言。東京近郊ならいざ知らず、それ以外の地域はどこも似たり寄ったりで、ChatGPTが答えたような「自然が豊か」、「人が優しい」、「食べ物が美味しい」といった特徴はどの町にも当てはまります。

移住希望者の多くが「漠然移住」と呼ばれる「どこかいいところがあれば移住したい」という移住先を決めきれないIターンということを考えると、「たまたまいい物件と出会えた」とか、「自分の力をいかせる求人があった」など、偶然の巡り合わせのような必然性が、移住の決定打となるのかも知れません。

この日集まった地域おこし協力隊の面々も、縁あって四国の右下エリアで地域おこし協力隊になった人ばかり。最初から「阿南市に住みたい」「牟岐町がいい」と移住先を絞っていたわけではないといいます。「四国の右下エリアに移住してきてください!」と地域をPRするより、仕事、暮らし、人など多種多様な情報発信を行うことで「なんだかおもしろそう」とか「自分に合うかも」と思ってもらえるような何かをキャッチしてもらうことで、ハッピーな移住に繋がるのでは・・・といった提案もありました。

この話を聞いて、徳島県移住アドバイザーの小林陽子さんは移住相談の際にいつも心掛けている「移住者が求めているものを提示できるか」、「その人の悩みを移住で解決できるか」といった思いと重なるとコメント。また「地域おこし協力隊は3年の任期終了後、地域に定着できるかが課題。四国の右下という狭いエリアでも今日初めて会った人もいます。同じ協力隊同士、地域課題に取り組む者同士、情報共有し、助け合い、こうした機会を通じて地域との繋がりを作って欲しい。それが定住の足がかりになります」とエールを贈りました。

「四国の右下」エリアでは積極的に地域おこし協力隊を受け入れています。定住している人も多く、それぞれの事情で地域を離れた後も繋がりを保っている人も多い、フレンドリーなエリアです。地域おこし協力隊以外にも地域で活躍する先輩移住者も。その体験談をまとめた冊子もありますので、ぜひ参考にしていただき、移住をご検討ください。

https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoyMzE4MjF9&detailFlg=0&pNo=1&fbclid=IwAR1hNuDqJujIR7bCEnVTf-9dgEiBNRmgDVd-ri7sjb3HjoqQ5P6Tumbnejw